スズハドットコム

IT関連や3Dプリンタの記事、たまに生活のメモを書いていきます。

YZF-R7のOBDⅡで遊んでみる

OBDⅡとは

OBD(On Board Diagnostics)は自動車のECUに搭載されている自己診断機能です。
黎明期に各メーカーが独自規格で作ってたのがOBDⅠ、それではコネクタもエラーコードもバラバラで煩雑なのでメーカーの壁を越えて共通規格でやりましょうというのがOBDⅡ、ということのようです。
二輪車の場合は、新型車は2020年12月から、継続生産車は2022年11月からOBDⅡの搭載が義務化されましたので、新しめの車種であればOBDⅡが付いています。

スマホなどを使ってOBDⅡのデータを読み書きするためのこのようなドングルが結構安く売られています。
これを使って、スマホでエンジン回転数とか水温とかを表示することも可能です。

私が使用したのはこちらの製品で、Bluetooth接続タイプです。

他には電源スイッチ付きのものや


Wi-Fi接続タイプもあります。

車体側の準備

バイクのOBDⅡコネクタに接続するための変換ケーブル

車にはこのドングルをそのまま差せますが、バイクにはこんなでかいコネクタは無いので変換ケーブルが必要です。
メーカーや製造時期でコネクタ形状が違うため購入時はよく確認しましょう。

YZF-R7はISO準拠6Pコネクタなので、キタコの型番764-9000110が適合します。ホンダ用と書いてありますが大丈夫です。

バッテリー上がり対策

YZF-R7の場合、OBDⅡコネクタにはキーオン/オフに関係なく常時+12V電源が来ていました。
よって、バイクに乗らない時にOBDⅡドングルを付けっぱなしだとバッテリーが上がってしまいますので対策が必要です。

バイクに乗るたびOBDⅡドングルを付け外しするとか、電源スイッチ付きのOBDⅡドングルを買う方法も考えられますが、いずれにしろタンデムシートを外さないと操作できないため面倒です。
配線加工して、キーオン時だけ+12V電源が繋がるようにします。
タンデムシート周辺だとテールライトから電源を分岐するのが手っ取り早いので、テールライト電源を分けてもらいます。

変換ケーブルの赤線(電源線)を切り、車体に繋がる側はしっかり絶縁します。(もしここがショートしたらメインヒューズが飛ぶので)

赤線のもう一方は、配線を束ねるカバーに切り込みを入れて長めに引き出します。

テールライト電源を分岐するためのケーブルは、市販のものを使います。
変換ケーブルから引き出した赤線とこの分岐ケーブルの赤線を繋げば、OBDⅡドングルにはキーオン時だけ+12V電源が繋がるという訳です。
(車体側の配線加工に抵抗がなければ、こういう商品を買わずに線をぶった切って分岐しても良いです。)

YZF-R1(2015~)/R6(2017~)と同じテールランプを使用しているので、R1用を探すと見つけやすいです。

ちなみに、YZF-R7のテールライトのコネクタはこの辺りにあります。狭いですがテールカウルをバラさずに分岐ケーブルを装着可能でした。

取り付け

車体側のOBDⅡコネクタをライダーシート下からタンデムシート下側に持ってきて(写真では見えませんが…)、各配線を繋ぎます。

OBDⅡドングルにポリ袋を二重にかぶせて簡易防水します。シート下なので当面は大丈夫でしょう。

なんとかシート下に収まりました。ETCもあるのでギリギリです。
※ポリ袋を被せる前に撮った写真です。

OBDⅡコネクタ(ヤマハ用語ではYDTコネクタ)を移動したので、メカニックさん向けのメッセージを貼り付けておきました。

スマートフォン側の準備

アプリ

スマホでOBDⅡのデータを表示するために、今回はCar Scannerというアプリを使用しました。
広告が表示されますが無料です。
play.google.com

接続

バイクをキーオンしてOBDⅡドングルに通電したら、Car Scannerアプリを起動してドングルとペアリングします。
BluetoothとBluetooth LEが選べます。LEの方がオススメのようです。

ペアリング後は読み書き可能なパラメータを自動で確認しているようでした。

ダッシュボードの作成

ダッシュボードを作ります。
とりあえずスピードメーターのイメージでこのようなダッシュボードにしてみました。
スロットル開度は、エンジンをかけなくてもスロットルをひねればメーターが動くので動作確認用に便利です。

動かしてみる

実際に走行した動画がこちらです。

気付き

車速は、バイク本体のスピードメーターの1割引くらいで表示されました。
(ざっくりいうと、スピードメーターが60キロを表示している時、OBDⅡの車速は55キロ、という感じ)
プラス誤差のない真の速度が表示されていると思われます。
これをスピードメーター代わりにするのはちょっと危険ですね。

ギアポジションはあてになりません。
ギアポジションセンサーの値を取っているのではなく、おそらく車速とエンジン回転数から推測してるんじゃないでしょうか?

カーナビアプリと違ってトンネル内や夜間に自動的にダークモードにしてくれないので、明るい色でダッシュボードを作ると眩しいです。
ダークモードっぽい色合いで作ったほうが良いですね。