我が家のWi-Fi環境は、UniFi Dream Routerを使用しています。
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Dream Routerに関してはおおむね満足なのですが、困ったことが2つあります。
1つ目は、玄関をでてすぐの場所が「スマホがWi-Fiの電波をギリギリ掴むけれどまともに通信できない」絶妙な電波強度であること。
ちょうどその辺りにエレベーターがあるので、通勤時間帯でエレベーター待ち時間が長い時などはスマホを見ながら待ちたいところですが、手動でWi-Fiを切らないと通信できずプチストレスです。
2つ目は、玄関ドアに取り付けている防犯カメラ(Atom Cam 2)が電子レンジ使用中などに通信不能になること。
分析
UniFi Design Centerでシミュレーションしてみるとこのようになります。
図面の上のほう、「外廊下」という文字の右側あたりがエレベーター待ちポイントですが、非常に弱く電波が届いてしまっています。
このせいで、「スマホがWi-Fiの電波を掴むけれどまともに通信できない」状況が生まれています。
※2.4GHz帯のカバレッジを表示。
Design CenterにDream Routerが無いためアクセスポイントU6+で代用。Dream RouterはU6+と比較して送信パワーもアンテナゲインも若干大きいので、このシミュレーション結果より強くなるはず。
防犯カメラの問題は上記の電波の弱さに加えて、
・Atom Cam 2のWi-Fiは2.4GHz帯のみ対応で、そもそも電子レンジ等の干渉を受けやすい
・さらに悪いことに、電子レンジはDream Routerと防犯カメラの中間に位置している
要素が影響してそうです。
改善策
Dream RouterのWi-Fi送信パワーは明示的に「High」に設定しており、これ以上強くできません。
また、Dream Routerは情報分電盤と複数のLANケーブルで繋がっているので、Dream Routerを移設する対応もとれません。
よって、APを増やすしかなさそうです。
UniFiのAPラインナップは、Wi-Fi6対応のU6 Lite、U6+、U6 Pro、U6 Long-Range、U6 Enterprise、Wi-Fi7対応のU7 Proがあります。
Wi-Fi7は今回の目的に対してオーバースペックですし対応機器も持っていないので一旦置いておいて、U6シリーズの各モデルを比較すると、上位グレードではWi-Fi 6Eに対応していたり、接続可能クライアント数が増えたり、電波の届く範囲が広くなったり、MIMOのストリーム数が増えたりします。
我が家の用途ではローエンドのU6 Liteで十分です。
アクセスポイント U6 Lite - Ubiquitiストア
玄関に近い部屋にAPを設置してシミュレーションした結果です。
玄関前の電波状況が改善しました。
また、APと防犯カメラの通信経路を電子レンジから離せるので、これでいけそうです。
※2.4GHz帯のカバレッジを表示。
Design CenterにU6 Liteが無いためU6+で代用。U6 LiteはU6+と比較してアンテナゲインが若干小さいので、このシミュレーション結果より弱くなると思われるが誤差程度か。
取り付け
APは壁面設置、LANケーブルは露出配線とします。(壁の中でLANケーブルを取りまわす技術はないので。。。)
インストールガイドのCパターンのとおりに取り付けます。
U6 Liteの付属品にコンクリートプラグと思われる物が含まれますが、今回は石膏ボード壁に取り付けるためボードアンカーを別途準備しました。
また、壁面のLANコンセント周りのスペースに余裕がないので、L型に曲がったLANケーブルも用意しました。
インストールガイド中の「6mmの下穴をあけてコンクリートプラグを叩き込む」ステップの代わりに、3mm程度の下穴をあけてボードアンカーをねじ込みます。
その他取り付け手順は同じです。
素人作業でも30分もかからず取り付けられました。
設定
PoEの有効化
UniFi管理画面(UniFi Cloud Access Portal)にて、左側メニューからPortsを選択します。
U6 Liteを接続したポートを選択します。
PoEの選択肢をOffからPoEに変更します。
Apply Changesをクリックします。
PoE給電が開始され、U6 LiteのLEDが光ります。
APの追加
少し待つと、New Device Detectedというメッセージが表示されるので、Addをクリックします。
U6 Liteの追加処理が始まります。この時ソフトウェアアップデートもおこなっているようです。
処理が完了すると、左側のドットがオレンジから緑に変わります。
送信パワーの調整
これまでDream Routerの送信パワーを明示的に「High」にしていましたが、APを追加したのでAutoに変更します。
左側メニューからUniFi Devicesを選択します。
リストからDream Routerを選択します。
右側のSettings(歯車アイコン)を選択し、2.4GHzと5GHzそれぞれのTransmit PowerをAutoに変更します。
Apply Changesをクリックします。
結果
エレベーター前に行きスマホを使用してみたところ、正常に通信できました。
スマホで測定した電波強度は-72dBmでした。
望ましい電波強度をググってみると諸説ありましたが-70dBm程度らしいので、若干下回っていますが、「スマホがWi-Fiの電波をギリギリ掴むけれどまともに通信できない」環境は脱したので良しとします。
防犯カメラのほうも接続状態が安定したように思います。こちらは電波干渉なので要経過観察ではあります。
その他
屋内に設置したWi-Fi APの電波が玄関の外まで漏れ出しているだけではあるものの、「屋外で利用することを意図してAPを設置してるだろ」という指摘はあるかもしれないので、5GHz帯のチャンネルはW56を選択しておきました。